内分泌・ホルモン
内分泌って何?
ホメオスタシスの三角形、2本目の柱は内分泌です。
分泌というのは腺という組織から物質が放出されることで、血管に放出されるものを内分泌といいます。
対して、唾液腺や消化腺、汗腺など、体の外に分泌するものを外分泌といいます。
ホルモンを分泌する器官を内分泌系といいます。
脳の松果体、下垂体、甲状腺、副甲状腺、副腎、膵臓、卵巣(女性)、精巣(男性)などにあります。
ホルモンは体のさまざまな働きを調節するために体の組織や器官に出す指示書のようなものです。
その指示書は全身に放出されますが、目的の組織や器官のみ読み取れるようになっています。神経のように線でつないでい伝えるのではなく、全身に巡らせて指示がわかるもののみに伝えるということです。
このようにして、効率よく体の働きが一定になるようにコントロールしてくれているのです。
ホルモンのすごいところ
- 種類が豊富
- 少量で効果を発揮
女性ホルモンや血糖値を調節するホルモン、水分調整をするホルモンなど、ホルモンの種類は100以上見つかっており、それぞれ作用する部位や働きが異なります。
ホルモンはほんの少しの量で効果を発揮します。
具体的には50mプールの水量(約2,500,000L)に対してティースプーン(約6ml弱)程度の濃度で効果があると考えられています。
ホルモンの量は多すぎても少なすぎても病気を引き起こす原因になります。
例えば、
甲状腺刺激ホルモンが多すぎるとバセドウ病になります。
インスリンが足りないと糖尿病になります。
ホルモンは絶妙なタイミングと量が作られることによって体のバランスを保っています。
しかし、プールにティースプーン1杯って、しかもこれが多すぎても少なすぎても病気になるって、すごいですよね。体を安定させるために絶妙な調節をしてくれてるんですね。
免疫
体の防衛軍
ホメオスタシスの三角形3本目の柱は「免疫」です。
免疫とは、自らを病気から守る仕組みのことです。
ウイルス、細菌、カビなど、空気中には目に見えない病原体がたくさんただよっています。
にもかかわらず、やすやすと病気にかからないのはまさに体をも守る仕組みである「免疫」がしっかりと機能しているからです。
免疫は、免疫細胞によって維持されています。
免疫細胞というのは「白血球」のことです。
白血球は血液とリンパ液の流れに乗って全身を循環し、病原体や異物が侵入した時には即座に駆けつけて排除します。
戦いの拠点となるのは敵の侵入経路となる場所です。
空気が出入りする「のど」
体の外を覆っている「皮膚」
食べ物が通る「腸」
などです。
腸には全身の約60~70%にあたる免疫細胞があります。
わ~、腸って大事なんですねぇ。
肌が荒れるとか、のどやおなかの調子が悪いというのはよく聞く話です。
免疫が何かしら戦っているのでしょうね。
ここでもやはり…
免疫は異物を排除しますが、ちゃんと自分の細胞と異物との区別をして攻撃しています。
よくできているのですが、ひとたび異常が起きると、敵でないものまで攻撃してしまうようになってしまいます。
例えば、ホコリや花粉など体に害を及ぼさない異物でも、過剰に反応して攻撃を仕掛けたりします。これをアレルギーといいます。
また、自分の細胞を敵とみなし、攻撃を始めてしまうこともあります。これを自己免疫疾患といいます。
免疫反応が強すぎるとこのようにアレルギーや自己免疫疾患を引き起こします。
逆に弱すぎると当然ですがウイルスや細菌の活動が活発になり、風邪をひきやすくなったり、がん細胞が増殖しやすくなります。
ホルモンも多すぎても少なすぎても病気になりますし、免疫も強すぎても弱すぎても病気になります。
ホメオスタシスの三角形が連携を組んで「ちょうどいい」状態を保ってくれているんですね。
体に感謝します。
【体内リズム】免疫と体温の関係
風邪をひくと熱が出ますね。
体は病原菌に対抗するため自ら体温を上げます。
免疫は少し熱が高い方が活発になり、ウイルス、菌、がんなどは熱に弱い性質があるため、体温を上げることで戦いやすい場を作っているのです。
免疫と体温は深い関係があるのです。
体温が1℃低下すると、免疫は約30%低下すると言われています。
体温は24時間のリズムがあります。
早朝がもっとも低く、次第に上がり、夕方が最も高くなります。
1日のうちの最も体温が低くなる午前3時から5時は死亡率が一番高くなります。
また、冬場はほとんどの病気で死亡率が上昇します。
自律神経、内分泌、免疫。ホメオスタシスの三角形を2回にわたってお話してきました。
次回からは体内リズムを考えた1日の過ごし方、四季の暮らし方、一生の体内リズムについてお話していきます。
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新田カイロ整体でございます。